書道の書体と書風の違い

梅の草書体

書体とは?

書道を習っていくと書体(しょたい)という言葉を知る事になります。
書体とは楷書、行書、草書、隷書、篆書といった表現様式の違いです。5体以外に仮名もあります。

同じ漢字でも書体を変えると見る人からするとイメージが変わると思います。

楷書ならばきっちりと。

行、草書ならば流れを感じる。など

同じ楷書の中にもまた書き方や書いた人により様々な書体があり1つではありません。
これも楷書の一つ、と言われたものを見ると、頭の中に思い浮かべた楷書とあまりの違いに、これも楷書と驚くような書き方もあるはず

書風

例えば点、画を明瞭に書くこと=楷書の書体の特徴ですが、それ以外の線の太さや字形などは書く人場合によって変化してきます

その書風の違いでも受けるイメージがまた変わってくるのが筆という道具を使用し、文字というある意味制約された中で表現できる最大に面白いところなのではないか?と思っています。

筆の特徴

筆というのは360度使用できること
穂先から最大根元までの太さの線が書けること
墨等の含み具合により、線が変化
書くリズムの変化で線質が変化する

など、数えるとキリがないほど。
この組み合わせと掛け合わせの妙なので、他の道具筆記用具では不可能なことではないでしょうか

書風による違い

トップの画像を再びご覧いただき次の画像の向かって一番左はじの墨で書かれた「梅」をご覧いただくと同じ梅の草書体です

 

実はこの梅の草書体は同じ筆で葉書の種類も同じものに書いたものです。もちろん墨も同じ。

墨のつけ方、筆の使用する扱い方などでずいぶんとイメージが変わるのではないでしょうか。

最初の梅は筆を寝かせ気味にし、その分途中で墨がなくなってかすれ始めているところも生かして書いています。
下の梅の草書は筆は少し立たせて、どちらかというと筆の先の方で書いたもの

途中墨が無くなる箇所の違い、線の太さなど同じ筆とはあまり思わないかもしれません

 

最初の梅は野性味のある幹もしっかりとした梅
次の梅はたおやか、雅な感じ。庭先で鑑賞するような梅

といったような違いがあると思います

同じ書体で書風を変えた場合の印象の違い。書の楽しみ方の一つと思っていただけたら幸いです。