漢字1文字で絵になるのはなぜ?

小学生のころからだと思います。
国語辞典、漢和辞典を皆さんも使っていましたよね?
学校の宿題、勉強で漢字の意味を調べたり熟語を調べたりという経験が誰にでもあるはずかと。

それに関しては勉強させられている、しなくちゃならない事という概念ではなく、おもしろい読み物を読み進めているのと同じでした。

目的の文字に行き着くまで、パラパラとページをめくっていきますが、途中で目的と関係ない漢字の意味に目が釘付けになり

これはこんな意味があるんだ。他にはこんな意味もあるんだ!

と読むのが本当に楽しかった。だんだんエスカレートするとそこに書いてある同意義語だったり音が違う文字の詳細を知りたくなってそっちを調べ始めて、、、

本当は何を調べているのだっけ?と分からなくなることもしばしばありました。

その時から漢字という文字1つにでもさまざまな意味、ちょっとしたニュアンスが違う意味があるのだというのを知ること自体が本当におもしろい

日本人はそうやって子供のころから漢字も勉強しているので、たった1文字だけの漢字が持つ広く、大きな意味をくみとる力が備わっているのだと思います

 

たとえばこの写真の「響」という字は人が向き合う形と音から出来ていて
意味には
・音が広がり伝わること、その音
・ものに反射して聞こえる音や声
・評判
・他に反応・変化を生じさせること
・振動
・情報や手紙、知らせなどのたより
これだけ近いようで違うこれだけの意味があります。

書くときには自分がこのどの「響」をイメージしているか?で作品として書く形や線の太さなどが変わってきます。

自分で想い描いたイメージ通りの印象を観た人が受けなくても良いのです。
絵画や彫刻の鑑賞と同じで観る人がそれぞれその「響」を観てどんな印象を受けるか?感じるか?で良いと思います。

あなたはあなたの「響」があるのですから。自分のこころのままに。です。

よくイメージするのが難しい。という人もいます。
何も「○○の音」→「響」というようなやり方だけではなくても「○○の音」→「その〇〇のある景色」→「景色の季節」という考え方でも良いのです。

ちょっと連想ゲームのようですが

 

この「弾」という文字にも
・ひく、はじく
・打つ
・はずむ
・寄せ付けない、受け付けない、はねのける
などあります。私が思い浮かべた「弾」

どんなイメージをうけたでしょうか?

漢字字体が微妙さまざまな意味を大きく包み込んだ抽象画のような特殊な文字を私達日本人は子供のころから長い時間かけて自然に身に入っています

絵を描くように文字を書く。というのはその微細なニュアンスを理解できる私たちだからこそ紡ぎだせる方法だと思います。