アートは心の健康に必要な栄養剤
今回のこのコロナ禍では緊急事態宣言は日本中、性別年齢に関係なく等しく同じストレスを受けた事態となりました。
記録にも記憶にも残る事態。
このような事を経験する事があるとは思っていませんでした
心が動かされる・伝わる
長い自粛で家にいる、いなければならない。
時間が思いのほか出来、いつもは見れなかったものや探す時間がなかった事に目を向けることも変化したこと
おそらくそのような時間にたまたま私の書いた作品を観ていただいた方から
『先生の文字を初めて拝見して、一文字でこんなに心が動かされる自分自身に驚きました。』というメールをいただきました
1人の作家としてもですが、つねづね生徒さんにも作品を書く時には自分の気持ちを乗せて。ということを伝えている身としてはお会いしたことが無い方の心に響いたことが心から嬉しかったです。
手書きが、心が伝わる嬉しさは他にもありました。
書道の会に私は所属していますが、そこの会員数は350~360名在席しています
3月から教室等が休みのため、講師5名が手分けをして表面、宛名面ふくめ全ての手書きのハガキをお送りしました
その中で私が書いた作品の中の1つ
5月は薫風(くんぷう) が季語にあります
若葉が美しい季節で風にもその薫りをのせた心地よい風が吹いてくる季節ですね
お送りする相手が今の状況をどのように感じて過ごしていらっしゃるかわかりませんが、季節の移ろいに目を向けて少しでも不安を和らげることや癒しの心が届くような気持ちを込めて
1枚づつ書かせていただきました
自分自身の作品を書く時は自分の心、感情と向き合い紙に筆でその時の自分を刻んでいく作業。だれにむけて。ということはなく。
描かれた作品を観た人が自分なりの受け止め方をしていただければ、心、感情のどこかに響くのは人それぞれで良くて。それがアートというもので
誰に向けてという時はほんの少し意識が違うかもしれません。相手に対して想う心を切り取って渡す。ということでしょうか
会は大勢なので面識のない方もいましたが、手書きのお礼のハガキが郵便受けに入っていた時の嬉しさは格別。
家に戻りながら待ちきれずに読み進める、、文面は
『いただいた手紙でコロナを忘れることができました』
『素敵な手紙がとても嬉しかった』
という言葉の数々
お渡しした心にもっと大きな感情を分けてもらえました。
画面越しとリアル
今はメールでもSNSでも簡単にありがとう。を伝えることは可能だし
ツールが便利になってきた分,
サンキュー!といった一言の場合もあります
常に会っている友達ならそれでも良い場合もあり。
その便利で即効性のある時代だからこそ、相手の労力や心遣いにありがとうや感謝の気持ちを乗せて書く・描くということは、より相手にその謝辞が伝わるもので
ありがとう!をもらったこちらもありがとう!と感謝の気持ちがまたふつふつと。
今この不自由に思える期間だからこそお互いに相手の感情に敏感になれたのかもしれませんね。
世の中はオンライン真っ盛りですし、時間も便利さも手書きやアートといった部類は真逆な方向なのかもしれません
それでもアートは心の健康に必要不可欠で感情の栄養剤です。
大事と思う人に伝えて行きたいと思います
アート・表現の大切さ
特にこの時期、知らず知らずにストレスがたまってきて知らないうちに心が疲れてしまう人も多くなってきていると聞きます
アートは心のよりどころになりますし、安定もさせていく・・・目で見えないけれど人の心を優しく包んでくれるもの
観る方にとっても生みだす方にとってもです。
3.11の地震の後、気持ちがざわざわしていた時、どうしても見たかった『中川一政』の展覧会が開催されていました
まだ、出かけるのも建物にも少し恐怖心を持っていた時期で入口でもドキドキしながらでしたが
ゆっくり絵を鑑賞しているうちに波立っていた感情が凪いで行くのがわかりました
中川一政はどちらかといくと勢いのある激しいタッチで描かれているのに。
私は今回のことにかかわらず、一昨年母が亡くなった時も白い紙に向かい、筆を走らせている間だけは後悔も悲しみからも少し気持ちを離す時間があることによって救われました
書く。描く。表現する。誰かの感情を受け止める。ということが自分の身近にあって良かったと心から思います。
これからすこしづつ美術館などの閉鎖が解除されていく。という話も聞いています。
気持ちがしんどくなってしまった方、お出かけにはちょっと不安などがあるかもしれませんが、お近くの美術館やギャラリーにお出かけになって栄養補給をしてみることも良いかもしれません
また、
臨床美術といって
絵やオブジェなどの作品を楽しみながらつくることによって、脳の活性化や高齢者の介護予防、認知症の予防、働く人のストレス緩和、こどもの感性教育に効果を期待できる芸術療法=アートセラピー
の資格を持っている方や場所があります。
プロに助けを求めたい方は選択されても良いと思います
アートという心の健康、感情の栄養剤というものが世の中にあるということを思い出していただければと願っています。